2つのゆり椅子が広場の床に向かい合わせに置かれています。観客が、ただ作品を眺めているときにはなにも起こりませんが、2人の観客がこの2つのゆり椅子に座り、揺らしはじめると、椅子に座った観客同士の間にインタラクション(やりとり)が起こります。それぞれのゆり椅子に組み込まれたセンサーやモーターを通じて、観客はお互いの椅子をゆらすアクションを互いに感じることができます。
この作品は、触覚による接触の感覚を、しかし間接的に作り出すことで、目の前の椅子に座ったひと同士の間に奇妙な感覚を作り出します。公共空間(街のひろばなど)で、通りすがりの人たちの間に偶然の出会いを引き起こすようなものとしてデザインしました。
実際に地下鉄の地下道や大きなショッピングモールの屋内広場などで展示すると、通行人は興味をひかれ、座り、揺らし、他の通行人たちとこの変わった触覚的なコミュニケーションを楽しみはじめました。
観客のなかには、この作品を使ってオリジナルの遊び方を発見してしまう人もでてきました。私は、この作品が公共空間のまだ明らかではない可能性を見えるようにしたり、普段知り合うことのないような人たちの間に、今までは起こらなかったコミュニケーションの体験を提供してゆくような役割をもてればと思っています。
2013年にサムスン電子が最初のWindows8タブレットPCを発売する際、私は手で持って簡単に撮影ができ、その上に絵を描いて友人に簡単に送れるようなアプリを設計し、PCがタブレットになり獲得した空間の中での自由さをコミュニケーションの体験に繋げました。
私達はオリジナルなアプリで最初のWindows8タブレットPCの面白さを引き出す必要がありました。Windows8に付属のカメラアプリは、タブレットの自由な動きの面白さを引き出すものではありませんでした、撮影した画像に自由に絵を書いて送ることができるアプリが既にあり、新機種に搭載可能でしたが、タブレットで使う体験は考慮されていないデザインでした。そこで、私は手で持って簡単に撮影ができ、片手でもって絵を描けるようなストーリーを元に、操作方法に大きく手を加えて、携帯電話で私達が日常的に行っているような画像コミュニケーションの体験ができるようにしたのでした。
ブラザー工業のための近未来のオフィス環境のプロトタイプです。プリントアウトの代わりにタブレットや携帯電話で書類のやりとりをする時代がやってくる中で、オフィスの空間自体を使って情報を表示と操作をするビジョンを、実際に触れるモックアップを使ってアピールしました。
1960年代に研究者が提案したデジタルデスクのコンセプトを参考に、プリンタービジネスの先にありうるサービスを提案しました。プロジェクタ、カメラ、様々なセンサーなど、現在民生品で手に入る技術を組み合わせて、手書きとデジタルデータの間をスムースに繋ぐ体験を作り出しました。
画像の著作権はブラザー工業にあります
"Limelightは、私達を舞台の役者として捉え、日常生活の様々なドラマに光を当ててくれる照明です。誕生日、プロポーズ、乾杯などの瞬間を劇的に光で演出し、周囲の人々を積極的に巻き込んで、暖かい瞬間を作り出します。
ドバイに建設予定だった超高層ビルの形状をデザインするために、デザイナーと共にデザインツールとしてのソフトウェアを開発しました。有機的な形を様々に検討する機能がCADに不足していたため、設計検討は多くを手作業に頼っていましたが、このソフトウェアを使うと、形を決定する幾つかの数値を入力するだけで、数値に基づいた3次元のデータを作成し、CADの中で確認することができます。
空間、身体性、接触をテーマにアートとデザインの分野で活動を続け、現在は人と人を繋ぐ都市照明のデザインに取り組んでいる。主な仕事は、パプリックアートではRemote FurnitureがVictoria and Albert美術館にて展示。ユーザ経験(UX)デザインの分野では、サムスン電子Windows8タブレットPC用アプリケーションが同社製品の一部になっている。
米国インダストリアルデザイナー協会IDEA賞ファイナリスト、ドイツ銀行学生アートコンペティション1st prize、くまもとアートポリス町並みコンペ佳作などを受賞。
東京芸術大学建築科卒業、慶応義塾大学政策メディア研究科修了。文化庁派遣芸術家在外研修員、ブラザー工業総合デザイン部を経て2010年より韓国サムスン電子勤務。
これまでにMike KuniavskyによるSmart Things, Ben Jacksらによる Writing Urbanismなどの書籍で作品が紹介されている。
nori_fujimura@me.com
資料ダウンロードリンク
Modified their template: BLACKTIE.CO